(本記事は、Xperia Zシリーズ、XperiaXZシリーズ等を使用中の方向けです。基本的な内容かもなので、Xperiaの仕様に詳しい方はスルー推奨です。)


自分はスマホはXperiaをずっと使ってきたのですが、最近のXperiaは種類が多く、どれを選べば良いかわかりにくいと思います。

それには背景がありまして....

昔は各通信キャリアがスマホ本体代金を無制限に割引ができたのですが、総務省が法的な規制を強化しまして、本体代金の大幅な割引ができなくなりました。その結果、高性能なスマホの販売価格が上昇し、多くの人が購入を躊躇うように。

当然、このままではスマホの売上が落ちるので、各メーカーが価格を落とすためにあえて性能を低下させたスマホも多く販売するようになり、結果としてAndroidスマホの種類が増加しています。

なので、今までのスマホと同じような値段のスマホを購入しても、割引幅が減っている関係で、新しいのにむしろ性能が低下する場合も。今からスマホを新しく買い替える場合、情報収集をするべきです。


●今のXperia
Xperia Proシリーズ
Xperia 1シリーズ
Xperia 5 シリーズ
Xperia 10シリーズ
 (Xperia 8も10シリーズに統合された)
Xperia Aceシリーズ

の5つに大別されます。命名法則としては、1シリーズの第3世代なら1Ⅲ(ワン・マークスリー)、10シリーズの第5世代なら10Ⅴ(テン・マークファイブ)といった感じです。



Xperia Proシリーズ
いわゆるカメラにスマホ機能を合体させたような、超高性能カメラ搭載スマホ。値段も高級カメラ並です。iPhone Proと異なり、Xperiaの最上位モデルは1シリーズであり、Xperia Proはカメラ特化モデルですので誤解の無きよう。そのため他モデルよりゲーム中に発熱による動作の鈍化が起きやすいです。写真が趣味の人以外はあえて選ぶ理由がないかも。
Xperia PRO-I|価格比較・SIMフリー・最新情報 - 価格.com
https://kakaku.com/keitai/smartphone/model/M0000000921/

Xperia 1シリーズ

Xperiaの最上位モデルであり、旧XZ premiumの実質的な後継機種と考えても良いかも。一番高性能で、大型ディスプレイを搭載。一方で電池持ちは他のXperiaよりは悪いです。機能が全部載せしてありますが、20万円弱するので、いわゆるスマホオタク向け。スペック重視の結果、モデルによっては熱暴走がひどい。1Ⅳは発熱問題は不評です。ですが、ロマンが詰まってます。1Ⅴでは発熱対策が刷新され、発熱による使用感の悪化が大幅に改善されました。電池持ちも数値上、1Ⅴで大幅に改善しています。多少価格差があっても1Ⅳではなく1Ⅴを買うべきでしょう。
hero_wide
https://xperia.sony.jp/xperia/xperia1m4/

Xperia 5シリーズ
いわゆるXZシリーズなど、昔のXperiaの通常モデルを使っている人にオススメな通常サイズの高性能モデル。1シリーズと比較してディスプレイが小さいですが電池持ちは1シリーズよりかなり良いです。また、Socが1シリーズと多くの場合同じものを搭載しているので、ゲーム性能も1シリーズと同水準。また、高価格ですが1シリーズよりは安く、10万強で購入できます。発熱も1シリーズよりは比較的抑えられています。
design_white

https://xperia.sony.jp/xperia/xperia5m4/


Xperia 10シリーズ
前述した性能を犠牲にして価格を落としたモデル。大きさ、形、見た目はXperia 5シリーズそっくりです。ただし、いくつかの性能が抑制されています。でも、お陰で、割引をうまく使えば、新品で3~4万円で購入することが出来ます。また、性能が低めということは、消費電力が少なめということでもあるので、電池持ちが歴代Xperiaの中でダントツで良好です。
colorvariation
https://xperia.sony.jp/xperia/xperia10m4/design.html

抑えられた性能については、ポイントごとに以下に紹介します。

(1)ゲーム性能 ※SoC (CPU)
Socが性能のやや弱めのものを搭載しているので、ゲーム性能が理論上は、Xperia XZ1<Xperia 10Ⅳ<Xperia XZ2、となります。ただし、10シリーズはそれぞれの発売時点で最新のAndroidバージョンであり、10Ⅲ以降はストレージが128GB、メモリが6GBあるためCPU以外の面ではゲーム性能にはプラスです。自分は手持ちにXZ2と10Ⅲがありますが、なんだかんだ10Ⅲの方がウマ娘やFGOの動作は安定していると感じます。安い値段で、最新のOSで、128GBで今使ってる古いスマホを新品で買った時と同じぐらい動けば良い、という人をターゲットにしているということでしょう。

10Ⅴでは10Ⅳと全く同じSoCを搭載するという暴挙にソニーが出たのでゲーム面での進化はありませんが、後述するスピーカーが上位モデル準拠の仕様となりました。(また、SoCだけ据え置きで他を更新するということは、更なる電池持ちの改善を意味しますので、10Ⅴは究極の「電池持ちスマホ」と考えることも出来るでしょう。)

※GoogleのPixelのミドルレンジモデルである6aや7a、iPhoneのSEシリーズの場合はこのゲーム性能を高いモデルのスマホとほぼ同等に保っているので、比較的安く重いゲームが動かせますが、電力消費量の大きい高性能CPUを搭載した上でその他のスペックを抑制した結果電池持ちが悪化しています。ゲーム目的がメインの学生はPixelのなんとかaシリーズやiPhone SEなんとかの方が良いと思いますが、仕事中に電池が切れると困る、ずっとゲームをやっている日があるほど時間があるわけでもない社会人はXperia 10シリーズの方が使用感にマッチするのではないかなと思います。


(2)カメラ性能の抑制
価格を抑制するために、カメラ性能は低めです。特に不評なのが、起動時間やシャッターボタンを押してから写真が撮影できるまでの時間が長い点です(10Ⅳ以降では少しずつ改善されています)。また、後述しますが、AI補正をあまりしないので写真が色鮮やかさに欠けます。逆に、デジカメで撮ったような自然な写真とも言えるでしょう。


(3)モノラルスピーカー(~10Ⅳ)
スピーカーが下にしかついておらず、横持ちでゲームをしたり動画を見ても片方からしか音が出ません。慣れるまでは違和感がすごいです。左右から音が出ないと困る人は大人しく5シリーズを購入しましょう。※Xperia 10Vではステレオスピーカーに刷新され、上下にスピーカーがついていますので、そこそこの値段のするスマホの様に、横向きにしてゲームをしても違和感はありません。


(4)音質関連設定の一部削除
一応DESSは搭載しており、イコライザーもありますが、ダイナミックノーマライザー等のその他のウォークマンや高級モデルXperiaに搭載されてきた機能は無くなっています。それでも他社のスマホよりイヤホンでの音質は良好ですが、モノラルスピーカーにした時点で音のこだわりがある人は5シリーズにいくだろうという想定なんだと思います。ですが、今後アップデートで追加要素がある場合もあり、販売店で実機の設定を確認されることをオススメします。


Xperia Aceシリーズ
これは、ゲームをしない人向けの小型低価格モデルです。
大きさは丁度iPhone SEシリーズと同じです。
10シリーズより更に色々な機能を削り、スペックを抑え、価格も抑えています。
割引を使えば新品を1万円前後で購入可能です。
このスマホをiPhoneと比較してネットで批判してる記事や動画を多々見かけますが、いくら同サイズとはいえ最低6万円するSE3と、基本3万、割引1万で買えるスマホを比較する方が悪いです。この価格帯の中国製スマホやAQUOSやarrowsと比較すると中々優秀ですよ。
highlight_fitsize

https://xperia.sony.jp/xperia/acem3/

では、抑制ポイントを列挙していきます。


(1)ゲーム性能

SoCは10シリーズより更に低性能のものを使用しているのでゲーム性能は低めです。等にAce Ⅱはゲームは諦めたほうが良いでしょう。一方で、最新のAce Ⅲは搭載SoCの性能が向上したため、ウマ娘やデレステぐらいなら出来ると思います。原神はそれでも厳しいでしょう。ストレージは64GBであることからも、あまりゲームを想定していなさそう。一方で未発売のAceⅣは128GB搭載の噂がされており、今後の新情報に期待です。

(2)カメラ機能の抑制
AceⅢはカメラが1眼なので、遠くのズームなどは古いスマホと同水準です。一方で、シャッター速度やカメラアプリ起動速度は非常に早く、複数のレンズの存在に拘りが無ければ10シリーズより使い勝手は良いかも。

(3)モノラルスピーカー
スピーカーが下にしかついておらず、横持ちでゲームをしたり動画を見ても片方からしか音が出ません。

(4)音質関連設定の削除
10シリーズ以上に他Xperiaと比較して音質関連設定が貧弱です。ですが、10Ⅲが後からイコライザがアップデートで追加された経緯も考えると販売店で音楽アプリから設定を自分で開いて確認した方が良いかも。





この他に、今のXperiaと昔のXperiaの違いをまとめます。


今までのXperiaと比較して大幅に変更された点

アルバムアプリ廃止

:全モデルで無くなりました。以下のアイコンのアプリです。似ているアプリに、「ギャラリー」というgoogleのアプリがありオススメです。最初からは入ってないのでgoogle playストアから検索しましょう。


POBOX廃止
:XZ時代のXperiaのキーボードはこれだったのですが無くなりました。代わりにgoogle純正のキーボード、Gboardを使うことになりますが特に困ることはありません。どうしても古いXperiaと同じ感じがよいなら、Wnn Keyboard Labというアプリが似ているらしいので試してみると良いかもしれません。


ディスプレイの色彩
:昔はアジア系企業特有の青みがかかった色彩だったのですが、今のXperiaは欧米の基準に合わせたiPhoneのような少し黄味がかかった感じの色になってます。この変化はソニーに限らず国際的な傾向のようです。青っぽい画面が好きなら設定からいじれば良いと思います。


音質設定
:1シリーズ、5シリーズ、Proシリーズに、Dolby Sound、360 Reality Audio、優先エフェクト等の機能が追加されてます。360 Reality Audioは10Ⅳにも追加されていたはず。かなり色々いじれて楽しいです。ぜひ実機を触ってみて下さい。

詳細は以下のリンクから。



カメラの傾向
最近のXperiaのカメラで撮影した写真や動画は、昔のXperiaと比較して、より現実の描写を忠実に再現することに重きを置いています(全シリーズで当てはまります)。10シリーズ・Aceシリーズはこれに加え、高画質化機能が省かれているのでより顕著に鮮やかな色の写真が撮れません。
利点としては、カメラを作っているメーカーらしい、デジカメで撮影したような現実を忠実に再現した、写真や動画が撮影できる点にあります。主に家族写真や仕事でのメモなどを撮りたい社会人にはメリットだと思います。一方で、インスタ映えする写真を取りたい人には合わないです。SoCの項目でも触れましたが、最近のXperiaは学生というより社会人を顧客層としてフォーカスしている印象を受けます。価格が高いので、購買力がある層を狙うのは経営戦略上正しいと思いますが。


第2のカメラアプリ(Photography Pro、Cinematography Pro)
:1シリーズ、5シリーズ、Proシリーズに追加された、もう一つのカメラアプリです。αシリーズの様な高級カメラみたいに、細かく設定を指定して写真を撮ることが出来ます。
Xperia1Ⅳ、Xperia5Ⅳまではこのアプリは横向きでしか使えませんでしたが、Xperia1Ⅴ以降は標準のカメラアプリの様に縦向きでの撮影に対応となりました。この点からもこのアプリが搭載されているハイエンドモデルを購入する場合、第5世代以降がおすすめです。

img_03_pc

https://xperia.sony.jp/myxperia/app/photography-pro/


詳細なアプリの使い方は以下リンク参照。




サイドセンスバー
:Proシリーズ、1シリーズ、5シリーズ、10シリーズに追加された機能です。画面の端っこに細い縦線のようなものがあり、これをダブルタップするとよく使うアプリを呼び出したり画面を簡単に二分割出来たりします。今のXperiaは縦長なので二分割はかなり便利です。Youtube Premiumに登録せずともYoutubeを聞きながら簡単にネットサーフィンが出来ます。うっとおしい人は機能をOFFに出来ます。

https://www.au.com/online-manual/sov42/sov42_01/img/G_sidesens-02.png


<まとめ>
スマホで妥協したくないなら1シリーズ、カメラで究極の性能を追い求めたいならProシリーズ、経済的に比較的余裕があるけど1やProは高すぎると感じる人や大きいスマホが苦手な人はXperia 5シリーズがオススメです。
FPSや原神をやらない・カメラ性能はそこそこでもいいのであれば、10シリーズはアリだと思います。ゲームをしないならAceシリーズでも問題ないと思います。
金がないけど重いゲームが動くものが良いなら、型落ちの5シリーズを買うのが一番コスパが良いと思います。ソニーストアから購入すれば、ストレージが2倍になった型落ちモデルが比較的安く販売されているのでオススメですよ。(というか、1、Pro、5シリーズの購入を検討中の方はドコモなどのキャリアから購入するよりソニー公式からネットで買った方が性能的には良いものが買えます。)


<補足>

Xperiaが他社にない強みとして、以下の二点をまだ保っている点にあります。

・イヤホンジャック搭載

microSDカードスロット搭載

最近は上位モデルや効果な無線イヤホンを購入させるためにこれらを廃止するメーカーが多いですが、Xperia2023年現在まだこれらの機能を維持してくれています。手持ちの有線イヤホンや、microSDによる容量拡張などがしたい人にはとても大きなメリットなのではないでしょうか。